ロジカルシンキング系の書籍は、ずっと売れ続けているビジネス書のジャンルで、ロングセラーのものが比較的多い。今回は、特に良かったものを参考として紹介する。

問題解決の全体観 上・下巻 

 ダントツに良いと思っているのが、本書(上・下)。ただ、値段が上下で6000円近くなるので、通常の書籍と比べると高いためか、書店ではあまり見たことがないが、同じ系統の著作を何冊も買うよりも、この本を上下だけを購入したほうが、良いと思う。マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナーが著者で、手順を踏んで、非常にわかりやすく説明されている。

問題解決の全体観 上巻 ハード思考編 (知的戦闘力を高める全体観志向)

問題解決の全体観 下巻 ソフト思考編 (知的戦闘力を高める全体観志向)

ドキュメント・コミュニケーションの全体観 (上下巻)

  テーマは「ドキュメント・コミュニケーション」。会社で大量に使われているドキュメント(提案書・報告書・会議資料)を『より効果的に』『より効率的に』制作して、作り手・読み手双方の生産性を大幅に改善する方法論を解説。ドキュメント制作という日常的な実戦を行いながら、自然とロジカル・シンキングなども身につくよう執筆・編集されている。

ドキュメント・コミュニケーションの全体観 上巻 原則と手順

ドキュメント・コミュニケーションの全体観 下巻 技法と試合運び

考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則

 定番の書籍で、いまでもベストセラーになっている書籍。1冊しか選べないといえば、この書籍だが、基本的に、2冊選んでよいなら「問題解決の全体観 上・下巻 」がおおすすめ。

Wikiには、MECEの解説まであるようで、ビジネス用語として定着している

新版 考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則

思考・論理・分析―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践

 これも、ロングセラーになっている著作。分析とは「複雑な事柄を一つ一つの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること」。だとすれば、優れた分析を行うには「全体」を漠然と捉えるのではなく「個々の情報やデータを吟味し」さらに「それぞれの関係性がどうなっているのか?」まで深掘りしていく必要がある。本書は、分析に必要不可欠となる「思考(頭の使い方)」「論理」そして「分析に必要な視点・手順」を解説している書籍だ。

思考・論理・分析―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践

司法試験答案作成「七つ」の方程式

 この書籍は、ロジカルシンキングの書籍ではない。では、なぜここで紹介するのかというと、弁護士等が記述文章は、極めて論理的な文章で構成されているものが多いが、そのベースとなるのは、やはり司法試験で鍛えられた、論理的な考え方があるのだと思う。

 一般的なロジカルシンキング系のものと比べると、精緻化された文章の書き方を解説しているので、ビジネスの場に当てはめて考えるというのは、少し違うと思うかもしれない。しかし、本書は7つの方程式というToolを利用して、文章構成を考える技術を解説しており、答案作成だけでなく、日常的なビジネス文章やロジック構成の考え方にも転用できる考え方なので、参考になる。あと会社法が苦手な会計士受験生なんかは、この本を読んでみると非常に精緻化された文章構成になっているので、論述の対策にもなる。

司法試験答案作成「七つ」の方程式