認知バイアスや行動経済学の考え方は、ビジネスの世界で、普及し始めており、会計士の利用する基準の中にも改訂版の基準の中に、認知バイアスの用語が利用され、業務実施上で注意すべき旨の記述が見られるようになったことだ。それぐらいビジネスの世界に普及が進んでいる。
バイアスは、取り除くことは、難しいが何かを検討し、整理しておくときに、最後に「なにかバイアスが生じていないか」を意識するだけで、誤りを多少減少させることができる。人は、どうしても自分の専門分野から物事を見がちで、私の場合、科学(化学、物理etc)、医学などアプローチからは、観察眼が不足している。全く別の視点から見ることが必要なのに、バイアスが生じていて、物事をうまく捉えることができないということは、誰にも生じがちだろう。本書は、このような人間が犯しやすい問題に気がつくためのヒントとして知識を与えてくれる。
そもそも認知バイアスとは、Wikiを参照して、記述すると、
認知バイアス(にんちバイアス、英: cognitive bias)とは、物事の判断が、直感やこれまでの経験にもとづく先入観によって非合理的になる心理現象のことである[1]。認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種であり、非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など人間が犯しやすい問題でもある。従って認知バイアスは、事例証拠や法的証拠の信頼性を大きく歪めてしまうことがある。
詳細は、Wikiで確認していただくとして、要すると人間のやってしまいがちなエラーと考えればよいだろう。認知バイアスの各種用語をなんとなく頭の片隅においておくだけで、意思決定時のミスを減らせるのにつながると思われ、すべての人に一読することをおすすめする。
本書は、3部構成で「論理学」「認知科学」「社会学」のそれぞれのアプローチから、構成されている。
第Ⅰ部 認知バイアスへの論理学的アプローチ
01 二分法の誤謬/02 ソリテス・パラドックス/03 多義の誤謬/04 循環論法/
05 滑りやすい坂論法/06 早まった一般化/07 チェリー・ピッキング/08 ギャンブラーの誤謬/09 対人論法/10 お前だって論法/11 藁人形論法/12 希望的観測/13 覆面男の誤謬/14 連言錯誤/15 前件否定/16 後件肯定/17 四個概念の誤謬/18 信念バイアス/19 信念の保守主義/20 常識推論
第Ⅱ部 認知バイアスへの認知科学的アプローチ
01 ミュラー・リヤー錯視/02 ウサギとアヒル図形/03 ゴムの手錯覚/04 マガーク効果/05 サブリミナル効果/06 吊り橋効果/07 認知的不協和/08 気分一致効果/09 デジャビュ/10 舌先現象/11 フォルス・メモリ/12 スリーパー効果/13 心的制約/14 機能的固着/15 選択的注意/16 注意の瞬き/17 賢馬ハンス効果/18 確証バイアス/19 迷信行動/20 疑似相関
第Ⅲ部 認知バイアスへの社会科学的アプローチ
01 単純接触効果/02 感情移入ギャップ/03 ハロー効果/04 バーナム効果/05 ステレオタイプ/06 モラル信任効果/07 基本的な帰属の誤り/08 内集団バイアス/09 究極的な帰属の誤り/10 防衛的帰属仮説/11 心理的リアクタンス/12 現状維持バイアス/13 公正世界仮説/14 システム正当化バイアス/15 チアリーダー効果/16 身元のわかる犠牲者効果/17 同調バイアス/18 バンドワゴン効果/19 ダニング=クルーガー効果/20 知識の呪縛
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